運転免許の取得にローンが利用できる?
金利や申込み方法を解説
運転免許を取得するにあたっては、大半の人が教習所に通われるでしょう。しかし教習所に通うためには、まとまったお金が必要です。就職を目指す学生であれば、アルバイトをしていたとしても教習所に通うためのお金を一度に払えないかもしれません。ほかにも、様々な理由で免許を取得したいけれども、まとまったお金が準備できないという人もいるでしょう。こうした場合に頼りになるのが、運転免許ローンです。中には、現在無職で就職・転職活動中の人や収入のない主婦、大学生等でも借入れできるものもあります。
ただし、運転免許ローンといってもローンであることに変わりはありません。メリットだけでなく、デメリットも知っておきましょう。運転免許取得を検討中で、免許取得費用に悩んでいる人に役立つ情報や、申込み方法等をご紹介します。
(1)運転免許取得の費用相場とは?
運転免許を取得するためには、どのくらいの費用が必要となるのでしょうか。費用の相場や支払い方法についてご紹介します。
運転免許取得の費用相場
運転免許は、自動車学校に通学して取得することもできますし、合宿に行って取得することもできます。教習料金は、それぞれの教習所で独自に定められています。
一般的に合宿の方が安くなることが多く、シーズンや立地にもよりますが、AT免許を取る場合で20〜30万円が相場になります。
通学して免許を取得する場合には、AT免許で25〜35万円が相場です。
どちらも、MT免許まで取得する際は上記の金額に1.5万円〜2万円程度追加することで取得できるでしょう。
運転免許取得費用の支払い方法
ご紹介したように、運転免許を取得するためにはまとまったお金が必要になります。一括で支払いできれば良いですが、経済的に難しいということもあるでしょう。一括払いのほかに、分割払いが可能な自動車学校もあります。
また、運転免許ローンを利用する方法もあります。
一般的に無職ではローン審査に通りにくいとされていますが、自動車学校に無職の状態で通うこともあるでしょう。学生や未成年のほか、就職や転職活動のために運転免許の取得を目指す場合など、安定した収入がない人もめずらしくありません。そのため運転免許ローンは、無職の人でも利用できるものが用意されていたり、学生や未成年の場合はご両親が本人に代わって借入れできる場合もあります。
(2)運転免許ローンを利用するメリット・デメリット
運転免許ローンを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。メリットに加えて、デメリットについてもご紹介します。
運転免許ローンを利用するメリット
運転免許取得の相場は20万円以上と、ある程度まとまったお金が必要です。経済状況にもよりますが、一括で支払いすることが難しいという人もいるでしょう。将来の就職を考え免許を取得しておきたい学生は、学費を支払いながら免許取得費用が上乗せになるため、経済的に頭を悩ませることもあるかもしれません。
運転免許ローンには、学生であっても本人名義でローンを組むことができる商品もあります。最長6ヵ月後からローンの支払いが開始される学生応援スキップ払いが準備されていたりと、学生でも借入れしやすくなっています。
また、クレジットカードと比べると金利が低めに設定されている傾向があることも見逃せない点でしょう。
一時的にまとまったお金がなくても、免許を取得できることが最大のメリットになります。
運転免許ローンを利用するデメリット
運転免許ローンを上手に利用することで、まとまったお金がなくても免許を取得するために自動車学校に通うことができますが、あくまでもローンであることは変わりありません。借りたお金に加えて金利を支払う必要があるため、支払総額は大きくなります。借入れの期間が長くなればなるほど、思っている以上にお金を支払うことになるかもしれません。
また、収入が安定していない等の理由で、審査に通らない場合はローンの利用ができないこともデメリットとなるでしょう。ローンですので、支払いが滞納すると信用情報に登録され、その後のクレジットカードやローンの申込みに悪い影響を与える可能性もあります。
もちろん、月々の返済額を無理のない範囲で設定することにより、支払いを滞納することは防げるはずですが、設定した期間内は確実に返済できることが大前提になります。
(3)運転免許ローンの取扱機関
運転免許ローンは、どこに申込みをすれば良いのでしょうか。運転免許の取得に利用できるローンは、主に以下の3機関で用意されています。
- 銀行や信金などの民間金融機関
- 信販会社
- 大学生協
それぞれの特徴についてチェックしていきましょう。
民間金融機関
民間金融機関が取扱う運転免許ローンはローンの最大限度額が大きく、支払い回数も多いのが特徴です。ショッピング等ほかのローンを契約している場合には、毎月の返済額を増やすことなく一本化することが可能な場合もあります。手元のお金に余裕がある月には、繰上返済を利用することで、返済回数を減らすこともできるでしょう。
インターネットで申込みができることも多く、24時間、時間を問わず利用できることもメリットです。また、クレジットカード等に比べ金利が低く設定されていることが多く、自動車やバイク等の関連費用に対応するローン商品が用意されているため、免許取得後のカーライフをサポートしてもらえます。
ただし、未成年や学生では審査が通りにくかったり、安定した収入がない状態では利用できない点はデメリットといえます。金融機関によっては、使いみちが限定されていないローンもありますが、審査がより厳しくなったり、金利が高くなったりすることがあります。
信販会社
信販会社の運転免許ローンは、教習所などで申込みすることが可能です。
未成年や学生、主婦など安定収入がない人でも親権者や世帯主の同意や連帯保証があれば利用することが可能な場合もあります。また、信販会社によっては、学生の場合に支払いを据置できる期間を設定できるサービスを提供しているところもあります。
ただし、金利は年13%程度(2022年1月18日現在)と高い傾向にあり、計画的に返済していく必要があります。返済が滞るわけにはいかないため、余裕を持って返済できる額を設定しながらも、少しでも返済できるお金が手元にある場合には繰上返済を行うことをおすすめします。
大学生協
大学生協の運転免許ローンは大学生のみが利用できるもので、分割手数料率(金利)が年9%台となっています。
関西北陸事業連合の通学免許ローンでは、支払い回数は3回〜36回で、均等払いだけでなくボーナス払い等にも対応しています。実質年率は9%(2022年1月18日現在)で、支払い終了まで金利は変わりません。
ただし、ローンの利用は提携先の教習所に限られる場合もあります。また、親権者が連帯保証人になることが必須条件となることなどがデメリットといえます。
(4)運転免許ローンの返済額シミュレーション
運転免許ローンを借入れした場合には、具体的にどのように返済していくことになるのでしょうか。返済のシミュレーションをご紹介します。
シミュレーション1
借入額25万円
金利 年9%の場合
支払い回数 24回(ボーナス返済なし)
毎月の返済額 11,421円
総支払金額 274,104円
シミュレーション2
借入額25万円
金利 年9%の場合
支払い回数 12回(ボーナス返済なし)
毎月の返済額 21,862円
総支払金額 262,344円
上記のシミュレーションでは、借入額は同額ですがお支払い回数に違いがあります。1回の返済額は大きくなるものの、短期間で支払った方が総支払金額は小さくなることが分かるでしょう。
(5)運転免許ローンの申込みの流れ
教習所に通うための費用が一括で準備できそうにない、でも免許を取得したいという場合には、運転免許ローンを検討しましょう。運転免許ローンを借入れするための流れについてご紹介します。
必要書類
運転免許ローンを利用する際には、年齢や住所、氏名等の基本情報のほか、それらを証明する身分証明書、審査のために安定した収入があることを証明する収入証明書等が必要になります。学生や主婦等の場合には、世帯主や親権者の氏名、税込年収を証明できる書類が必要となることもあります。また、未成年の場合には親権者の同意も必要とされることがあるでしょう。
申請から借入れまでの流れ
運転免許ローンを利用するために、まずはローンの利用を申込み、審査の結果を待ちましょう。審査に通らず、お金が準備できなければ教習所に通うことはできません。審査に通過してお金が借入れできる状態になってから、教習所の入校手続きを行うようにしましょう。審査期間は取扱機関によって様々ですが、数日から数週間かかることもあるため、ローンの申込みについては余裕を持って行うことをおすすめします。
審査に通れば、指定の口座にお金が振込まれます。
(6)運転免許ローンの審査が通らない理由と対処方法
運転免許ローンの審査が通らない場合には、どのような理由が考えられるでしょうか。すでに審査に通らなかった人はもちろん、これからローンを申込みしようと思っている人も、当てはまる点がないかチェックしてみましょう。
対処方法もあわせてご紹介しますので、できることは対処しておくとよいでしょう。
理由1:過去にローン返済の未納や遅延がある
ローンの返済が未納のままになっていたり遅延したことがある場合には、運転免許ローンの審査に通らない可能性があります。これらの行為は信用情報に記録されています。ローンやクレジットカード等の申込みがされると、取扱機関は信用情報を確認し、審査をしているのです。
ローンを借入れしたことがない、クレジットカードのお支払いを滞ったことがないという場合は問題ありませんが、もし過去に未納や遅延があった場合には、自分の信用情報を確認してみるのもおすすめです。信用情報は、個人信用情報機関に情報開示を求めることができます。インターネット上で確認できる機関もあります。
理由2:年収に対してローンの返済割合が大きい
年収に対してローンの返済割合が大きい場合には、ローンを返済していけるか懸念があるため、審査に通らないことがあります。返済割合が年収の35〜40%を超えると審査が通りにくくなるといわれています。
親元で暮らしていて、家賃の負担もなく生活費もあまりかからないとなると、意外とこの部分に気付かないこともあります。自分の年収を確認し、返済割合を計算してみるとよいでしょう。また、年齢のわりに年収が少ないこともマイナスに働くことがあります。
理由3:勤続年数が短い
勤続年数が短い場合にも、運転免許ローンの審査に通りにくくなるとされています。一定の収入があることで、毎月きちんと返済できるだろう、と考えられるため、転職を繰り返す、収入が安定しない、となれば返済が問題なくできるかどうか、疑問に持たれてしまうためです。
この場合には、教習所に通う時期を少し遅らせて勤続年数を増やすことを検討してみてもよいでしょう。
理由4:ほかにもローンを組んでいる
今組んでいるローンを確認してみましょう。ローンをたくさん組んでいる場合にも、信用情報で確認ができますので、運転免許ローンの審査に通りにくくなることがあります。
過去に借入れしたローンがまだ支払い途中で毎月なんとなく支払いをしているものなど、忘れているものもあるかもしれません。銀行の通帳を確認し、毎月引落とされている明細を見て、ローンがないかチェックしましょう。
(7)まとめ
運転免許取得費用に関して、以下の情報をご紹介しました。
- 運転免許取得の費用相場とは?
- 運転免許ローンを利用するメリット・デメリット
- 運転免許ローンの取扱機関
- 運転免許ローンの返済額シミュレーション
- 運転免許ローンの申込みの流れ
- 運転免許ローンの審査が通らない理由と対処方法
運転免許を取得するためには、まとまったお金が必要です。通学や合宿で費用は異なりますので、費用の相場を知っておきましょう。手元にお金がなくても、運転免許ローンを利用すればお金を工面することはできますが、メリットだけではありません。デメリットも知っておきましょう。
どこで運転免許ローンを借入れするか、返済額のシミュレーションも行い、返済がきちんとできるように設定することが重要です。また審査が通らない理由と対処方法についてもご紹介しましたので、自分が当てはまらないか、当てはまったとすれば対処ができるかどうか確認することをおすすめします。
運転免許取得費用に不安がある人は、ご参考になさってください。
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