NISAでの投資を考えている方の中には、「暴落・急落リスクが怖い」「投資した元金が目減りしないか不安」といった懸念を抱く方も多いのではないでしょうか。
投資は長期的な視点で捉えることが重要です。一時的な相場下落に動じることなく、投資のポイントを押さえ着実に運用を継続すれば資産成長の見込みが高くなります。暴落を恐れて投資を諦めるのではなく、相場の変動を前提とした資産運用の心構えを理解しておくことが大切です。
本記事では、暴落時にやってはいけないことや、低リスクでNISAを続けるコツなどについて解説します。

相場が暴落したらNISAはどうなる?

NISAは非課税保有期間が無期限です。もしも暴落が発生し、NISA口座の保有商品に含み損が発生しても、売却しない限り損失が確定するわけではありません。
売却して損失を確定させると、後に市場が好転して資産価値が回復したときのリターンが得られず、運用益が非課税になるメリットを失ってしまいます。また、NISAでは発生した損失を特定口座・一般口座の運用益と相殺(損益通算)することや繰越控除することができません。
市場は数年に1度暴落することがある

株式投資の歴史を振り返ると、市場の暴落は避けられない周期的な現象であることがわかります。過去を振り返っても、リーマンショック(2008年)、東日本大震災(2011年)、コロナショック(2020年)と、数年おきに市場の大幅な下落が繰り返されています。
しかし、これらの暴落は一時的なものであり、長期的な視点で見れば回復しています。今後どのような暴落でも必ず回復して上昇するとは断言できないものの、長期的には世界経済の成長・拡大に沿って株価が上昇する可能性が高いと予測されます。
NISAの含み益が一気に減った2024年8月の暴落
新NISAがスタートした2024年前半は株価が好調に推移し、日経平均株価は史上最高値となる4万2,224円を記録。しかし8月には、米国景気の先行き不安と日銀の追加利上げによる円高進行が引き金となり暴落しました。特に2024年からNISAで投資を始めた人にとって、初めての相場の急変動だったかもしれません。
その後わずか数日で3万1,458円まで下落し、年初来の含み益が一気に減る事態となりましたが、その後株価は徐々に値を戻し、上昇傾向に転じています。
暴落時にやってはいけないこと

相場の暴落による資産価値の減少は、投資家にとって精神的に大きな負担となります。暴落時に冷静に対応できるよう、日頃から心構えを持っておく必要があるでしょう。相場の暴落時にやってはいけない行動を解説します。
慌てて売却してしまう
相場が急落すると「これ以上の損失を避けたい」という恐れから感情的に売却を考えがちです。しかし、暴落時に売却すると安値で手放すことになります。
また暴落局面で売却し、相場が回復してから再度投資しようと考える方も多いでしょう。しかし、市場の最安値と最高値のタイミングを見通すことはプロでも困難です。結果として「高値で買い、安値で売る」という非効率的な取引になりがちです。株式市場は常に上下動を繰り返しながらも長期的には成長が期待できるため、長期視点で保有し続けることが資産形成の成功につながります。
積立投資をやめてしまう
保有する商品の売却だけでなく、積立投資の中断もおすすめしません。積立投資のメリットはドル・コスト平均法にあります。ドル・コスト平均法とは定期的に定額購入する方法です。価格が安いときには自動的により多くの口数を購入し、高いときには少ない口数を購入するしくみです。
市場の下落時に積立投資を中断すると、価格が安いときに口数を多く購入することができず、ドル・コスト平均法のメリットを活かせません。下落局面でも積立を継続することで、将来の相場回復時に大きなリターンを享受できます。
NISAが暴落したらどうする?
低リスクでNISAを続けるコツ

相場暴落時であっても、リスクを抑えながらNISA運用を続けるためのコツをご紹介します。
長期投資であることを認識する
投資において「時間」は最も強力な味方です。NISAで投資をする際は、数年から数十年という長期間での資産形成を考えることが大切です。
株式市場は短期的には上昇と下落を繰り返しますが、過去の実績を見ると長期的には成長傾向にあります。暴落時こそ、目先の値動きに一喜一憂せず、5年、10年先の資産形成を見据えた冷静な姿勢を持つことで、感情に左右されない健全な投資判断ができるようになります。
リスクを抑えるために分散投資をする
暴落のリスクを抑えるためには、分散投資が不可欠です。1つのファンドに集中投資せず、複数の国や資産に分散投資することでリスクを軽減できます。
たとえば、日本株だけでなく、米国株や欧州株、新興国株など、地理的に広い投資により、特定の国の経済不安の影響を和らげられます。また、株式や債券、REITなど異なる値動きをする資産に分散することでリスク軽減が期待できます。
余剰資金で投資する
投資は、原則として当面使う予定のない余剰資金で行います。毎月の生活費や急な出費に備える資金(生活防衛資金)を確保してから、余った資金で投資を始めましょう。
生活防衛資金を確保せずに投資を始めると、暴落時に家計にゆとりがなくなる可能性があります。余剰資金で投資をすれば、一時的な相場の下落があっても焦らずに回復を待つ余裕ができます。こうした余裕があれば、暴落時に慌てて売却してしまうリスクを避けられるでしょう。
金融機関に相談する
市場の暴落時には、感情ではなく専門知識に基づいた判断が重要です。自分の投資判断に不安を感じた場合は、一人で悩まず、NISA口座を開設した金融機関に相談するのもひとつの方法です。金融機関は投資のプロとして豊富な知識と経験を有しており、判断に迷ったときに相談すれば、適切なアドバイスをもらえます。
専門家の客観的な視点を取り入れることで、より冷静な投資判断につながるでしょう。特に市場が不安定な時期には、専門家の知見の活用をおすすめします。
まとめ

暴落時にやってはいけないことや、暴落時でも低リスクでNISAを続けるコツを解説しました。株式市場において、数年おきに繰り返される暴落は避けられません。市場は幾度となく暴落を経験してきましたが、長期的には回復と成長を遂げてきました。感情的な売却や積立の中断を避け、余剰資金での長期・分散投資を心がけることが重要です。
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