介護施設はどうやって選べばいい?
特徴や費用についてご紹介します!
介護となった場合に、介護施設に入居することもあるでしょう。
さまざまな介護施設の中から、どのように選んだらよいのでしょうか。
介護施設を選ぶポイントや、たくさんある介護施設の種類から、それぞれの特徴、費用についてご紹介します。
介護をすると決まった時、「在宅介護をベースにするか」「施設に入居するか」のどちらかを選ぶことになります。どちらを選ぶかは、ご家庭の環境にもより、介護される本人が望む形はもちろんのこと、介護にかけられる費用や、どれくらい介護する側が時間をかけられるかによって決めることになります。今回は施設に入居する場合に焦点を当てて解説します。
(1)介護施設を選ぶポイント
介護施設に入居する場合は在宅介護より費用がかかりますが、介護する時間や手間はかからず、介護する側の負担は軽減できるでしょう。
介護施設を選ぶ際の、4つのポイントについてご紹介します。
エリア
施設に入居する場合でも、様子を見に通いやすい距離の場所を選ぶことも重要です。何かあった時に、すぐに駆け付けられる、小まめに会いに行ける距離の場所を選ぶとよいでしょう。
サービス
介護施設は多種多様で、サービスも異なります。どのような医療的ケアが必要なのか、主治医やケアマネージャーに相談をしながら決めましょう。
特徴
施設の医療体制、運営方針、食事へのこだわり、温泉があるなど、その施設ならではの特徴についてもチェックしましょう。
費用
長い期間発生する費用面は見逃せないポイントです。無理なく支払うことができる施設を選びましょう。資金計画を立てながら選ぶことをおすすめします。
(2)介護施設の種類(特徴と費用)
「介護はお金がかかる…」と聞いても、具体的にどの程度かかるのか分からないままでは、不安を感じてしまいますよね。施設の特徴や費用について解説します。
- 地域やエリア、施設、サービス内容によって費用は異なります。必ずしもご紹介した費用になるとは限りません。
特養(特別養護老人ホーム)
公的な施設で、要介護3以上の人が利用できます。入浴、食事、排泄介助などの身体介護はもちろん、洗濯、掃除などの生活支援、さらにリハビリやレクリエーションといった介護サービスも提供されています。重度の認知症の場合も入所が可能です。
月額費用は、ユニット型個室である「新型」は15万円程度、従来型個室、多床室の「旧型」は10万円程度が多いようで、初期費用はかかりません。
老健(介護老人保健施設)
病院を退院して、すぐは在宅での生活が難しいといった要介護1以上の人が利用できる公的施設です。そのため、入居期間は原則として3〜6か月と限定的ですが、中には例外もあります。
入浴、食事、排泄介助などの身体介護、リハビリテーション、医師や看護師からの医療的管理が受けられます。
初期費用はかからず、月額費用は4人部屋で9〜12万円程度かかるようです。
療養病床(介護療養型医療施設)
医学的管理が必要な要介護1以上の方が利用できる施設で、入浴、食事、排泄介助などの身体介護、リハビリテーション、医師や看護師からの医療的管理が受けられます。
カテーテル、経鼻経管栄養、たん吸引などの医療的ケアが充実しています。
初期費用はかからず、月額費用は4人部屋で9〜17万円程度かかるようです。
介護医療院
2018年に創設された、医療的ケアと介護サービスが長期的に受けられる施設です。
介護療養型医療施設と同等の医療が受けられるT型と、介護老人保健施設に相当する医療と介護が受けられるU型があります。
初期費用はかからず、月額費用はT型の多床室で10万円程度、U型はT型より高くなるでしょう。
有料老人ホーム
民間施設で、要介護1〜5の方が入居できる「介護専用型」と、自立、要支援、要介護の方が入居できる「混合型」があります。
サービスは入居者の状態によって、食事や生活支援、介護、リハビリテーション、レクリエーションなどが提供されます。
入居時に入居金が必要で、相場は530万円程度かかるようです。月額利用料は23万円程度です。介護サービス費は、介護度による定額制となり、収入により1〜3割の自己負担額になります。
軽費老人ホーム
自治体の助成を受け低価格で入居できる公的施設で身体介護サービスの提供はありません。以下の3種類があります。
- A型 食事の提供あり
- B型 食事の提供なし
- ケアハウス
入居は、夫婦どちらか一方が60歳以上であることや、A型、B型の場合には、身の回りのことが自分でできること、さらに月収が34万円以下であるなどをクリアする必要があります。
初期費用として保証金を払い、介護が必要な場合には外部のサービスを利用し、要介護度に応じて介護サービスを支払います。
初期費用は0〜30万円程度、月額費用はA型で6〜17万円、B型は3〜4万円程度かかるようです。
グループホーム(認知症対応型)
原則65歳以上で、要支援2以上の認知症高齢者が利用できます。最大9名で構成されるユニットに分かれ、家事などを分担しながら共同生活を送ります。
初期費用は無料の場合もありますが、100万円程度かかるようです。月額費用は15〜20万円程度かかるようです。
サービス付き高齢者向け住宅
60歳以上が入居でき、自由度の高い暮らしができる民間施設です。有資格者の相談員が常駐し、生活相談サービスや安否確認が受けられます。身の回りのことはできるものの、一人暮らしが不安である、介護度が低い方に合う施設でしょう。
介護が必要な場合は、在宅サービスを利用します。初期費用は数十万円、月額費用は5〜25万円程度かかるようです。
また「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設であれば、介護が必要となった段階で、介護付き有料老人ホームと同様のサービスを受けることもできます。この場合は、有料老人ホームと同じ費用がかかります。
(3)まとめ
介護施設についてご紹介しました。多様な施設があるため、ケアマネージャーに相談したり、実際に施設を見学に行って決めるようにしましょう。現実問題として、費用面で選ぶ範囲が狭くなることもあります。介護にかかるお金を早めから準備しておくことも大切です。
介護費用の準備方法については、持ち家に住み続けながら持ち家を担保に介護費用を借入れできるリバースモーゲージや、所定の要介護状態になった場合に保険金を受取ることができる介護保険なども選択肢となります。あらかじめ、介護する側と介護される側で話し合い、準備しておくことをおすすめします。
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