お金の貯め方のコツって?
無理なく効率的に貯蓄を増やすおすすめの方法6選!
お金を貯める方法はとてもシンプルで、収入を増やして支出を減らすことが基本です。とはいえ、無理な節約ばかりでは長続きせず、心身ともにつらくなってしまいます。そこでこの記事では、無理なく貯蓄できる方法について分かりやすく解説します。
(1)貯蓄は「動機とモチベーション」が鍵
貯蓄は大事なものという認識は、多くの人が持っています。年齢や立場などにより、貯蓄に対する思いは人それぞれです。自分なりの理由をはっきりさせることは、貯蓄の方法の選択や継続に大きく役立ちます。
お金の管理・節約の必要性
貯蓄がうまくいく最大のコツは、自分なりの動機をできるだけ明確にしておくことです。
以下は、主な貯蓄の動機になります。
- 車や家を買いたい
- 休日・趣味を充実させたい
- 結婚・出産を視野に入れている
- 子育て費用をしっかり準備したい
- 定年退職後も伸び伸びと過ごしたい など
貯蓄の動機が具体的になればなるほど、貯蓄に対するモチベーションが上がります。モチベーションを維持できれば、貯蓄を続けるのも苦になりません。日々の収支管理に取り組みやすくなるのです。
逆に、動機が曖昧だとモチベーションが上がらないことがほとんどです。ちょっとしたきっかけで貯蓄を辞めてしまったり、貯めたお金を取り崩してしまったりするでしょう。
みんなはいくら貯蓄している?
厚生労働省のデータから、日本人の貯蓄額を具体的に見てみましょう。貯蓄の進捗度や目標設定に活かしてください。
年齢ごとの貯蓄額
まずは家族構成を考慮しない、年齢別の貯蓄額に関するデータを見ていきましょう。
1世帯当たりの平均貯蓄額 (万円) |
1世帯当たりの平均借入金額 (万円) |
|
---|---|---|
総数 | 1077.4 | 425.1 |
29歳以下 | 179.8 | 248.0 |
30~39歳 | 530.0 | 1,071.1 |
40~49歳 | 650.9 | 1,002.7 |
50~59歳 | 1,075.4 | 546.8 |
60~69歳 | 1,461.7 | 213.6 |
65歳以上 | 1,276.6 | 123.0 |
引用:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況 U 各種世帯の所得等の状況」図12
世帯主の年齢(10歳階級)別にみた1世帯当たり平均貯蓄額ー平均借入金額
貯蓄額は年齢と勤務年数に比例して増え、定年退職後は減少傾向にあります。借入返済などの出費と貯蓄のバランスを取りながら、家計をやりくりしている様子も見えてくるでしょう。
実際は単身・2名以上の世帯など、世帯人数によって貯蓄額や借入額に差が出ます。また賃貸住宅か持ち家か、自家用車の有無なども影響します。各人のライフスタイルによるものの、全体を眺めてみると老後生活に向けて着実に貯蓄額を増やしている印象です。
世帯ごとの貯蓄額
次に、家族構成・貯蓄額別のデータを確認していきましょう。
全世帯 | 高齢者世帯 以外の世帯 |
児童のいる 世帯 |
母子世帯 | 高齢者世帯 | |
---|---|---|---|---|---|
貯蓄がない | 13.4% | 13.0% | 11.6% | 31.8% | 14.3% |
貯蓄がある | 81.9% | 82.7% | 84.4% | 65.0% | 80.1% |
50万円未満 | 4.6% | 4.8% | 4.3% | 9.9% | 4.0% |
50万~ 100万円 |
3.6% | 4.0% | 4.9% | 7.0% | 2.6% |
100万~ 200万円 |
7.5% | 8.2% | 10.1% | 9.4% | 5.8% |
200万~ 300万円 |
6.1% | 6.5% | 8.1% | 4.7% | 5.1% |
300万~ 400万円 |
6.1% | 6.5% | 7.7% | 4.0% | 5.1% |
400万~ 500万円 |
3.2% | 3.4% | 4.4% | 3.7% | 2.6% |
500万~ 700万円 |
9.3% | 9.4% | 10.6% | 7.1% | 9.2% |
700万~ 1,000万円 |
6.4% | 6.3% | 8.1% | 3.2% | 6.6% |
1,000万~ 1,500万円 |
9.2% | 9.0% | 8.7% | 6.7% | 9.6% |
1,500万~ 2,000万円 |
5.0% | 4.7% | 3.8% | 0.3% | 5.6% |
2,000万~ 3,000万円 |
6.9% | 6.5% | 4.6% | 2.5% | 7.8% |
3,000万円以上 | 8.9% | 8.1% | 3.9% | 2.0% | 10.8% |
1世帯当たりの平均貯蓄額 | 1077.4万円 | 1017.6万円 | 723.8万円 | 389.8万円 | 1213.2万円 |
引用:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況 U 各種世帯の所得等の状況」表9
各種世帯の貯蓄額階級別・借入金額階級別世帯数の構成割合
高齢者世帯以外の世帯における貯蓄額は、500~700万円が9.4%と最も多いです。次いで1,000~1,500万円の9.0%、100~200万円の8.0%となっています。また、高齢者世帯を除く1世帯あたりの貯蓄額平均は、1,017.6万円という結果でした。
自分の状況と比較する際は、年齢や家族構成、所得金額、居住している都道府県などの影響も考慮したいところです。また貯蓄額の統計は、回答金額の幅が統一されていない点も踏まえてデータを捉えましょう。
(2)貯蓄上手を目指すステップ
自分の置かれた環境の中で賢くお金を貯めるために、次の3ステップから取り組んでみましょう。家計のやりくりを振り返るとき、この方法を採用すれば現状把握と改善ポイントの発見が容易になります。
お金を貯めるための一歩は、現在の家計がどんな状況なのかを知ることから始まります。
これまで家計簿をつけてこなかった人は、毎日の収支をチェックして1ヵ月後に集計することでおおよその金額が分かるはずです。
貯蓄初心者におすすめの家計チェック方法は、以下の3つです。
- できるだけ買い物のレシートを保管しておく
- 1日の終わりや週末など、タイミングを決めてレシートを集計する
- まずは1ヵ月続けて、どんな項目にいくら使ったかを把握する
最初はおおまかな把握で構いません。できれば光熱費や交通費、通信費やサブスクリプションなど、買い物以外の支出も集計してください。ここで大切なのは「何にいくら使う傾向があるか」を客観的に把握することです。
1ヵ月の支出において、次のように感じるものはありませんか?
- 本当はもっと減らせるはずと思っている支出
- あると便利だけどなくてもいい支出
- 全く利用していない・ほとんど使っていないのに、なんとなく続いている支出
- 他で代用できるモノ・サービスへの支出
上記に当てはまる支出をより多く見つけられれば、今と同じ収入が続いても貯蓄額を増やせるでしょう。
ここで大切なのは、あまり深く考えすぎないことです。節約ポイントを無理に見つけようとしすぎると、本当は削るべきでなかった支出も節約候補に入れてしまいがちです。貯蓄を長く続けるために、「思いつくものがあれば挙げる」程度で振り返ってみましょう。
節約できた費用を貯蓄に回していけば、無理なく貯蓄を始められます。
たとえ1ヵ月単位ではわずかな金額であっても、半年・1年・3年と続けていけば成果を実感できます。そして、大きな資産に育てていく鍵となるのです。
これら3つのステップは、貯蓄を継続するためのベースとなります。定期的に繰り返すことで、貯蓄額の上乗せを目指しましょう。
さらに、以下で紹介する6つの方法を実践すれば、目標の貯蓄額にグンと近づけます。
(3)お金を無理なく貯めるコツ6選
暮らしの中で使わなかったお金が、貯蓄としてプールされます。つまり「いかにお金を余らせるか」が、貯蓄の仕組みを作る大前提となるのです。ここでは貯蓄のコツについて、支出を減らすことと収入を増やすことの2つを軸に解説します。
支出を減らす
これまで続けてきた支出を辞めれば、使わないお金が発生します。そのお金をそのまま貯蓄に回すことで、現状の家計で無理なく貯蓄を増やせるようになります。特に、以下で紹介する3項目を見直すと効果的です。
1. 不要な支出項目の把握
前出のステップ2「支出の中身チェックリスト」で挙げた項目を手がかりに、不要な支出項目を書き出してみます。
特に食費や光熱費、携帯電話などの固定費は、1度見直してしまえば大きな節約効果が得られるものです。近年、格安サービスのバリエーションも増えているので、比較検討してみるとよいでしょう。
2. ライフスタイルの振り返り・再構築
暮らし方を振り返ると、自分ではなかなか気づけなかった「不要な支出」に出会うことがあります。少し時間をとって、じっくり考えてみましょう。
ライフスタイルを見つめ直すことで得られる貯蓄のチャンス例は、以下のとおりです。
- ジムに通う頻度が少ないのであれば、解約して自宅トレーニングに切り替える
- 複数加入している音楽や動画のサブスクのサービス内容を見直し、不要なものは解約する
- 写真や音楽などのデータを見直し、クラウドサービスの保存容量を抑えることで利用料を下げる
ライフスタイルを見直すことで今の自分に合う暮らし方へアップデートできるだけでなく、貯蓄に回せる金額も確保可能です。なんとなく続けてきたルーティンを変えた当初は違和感があっても、すぐに慣れるでしょう。
3. 各種決済サービスの見直し・活用
同じ支出であっても、支払い方法を工夫することで支出が減る場合があります。
近年、キャッシュレス決済ができるシーンが増えています。クレジットカードやデビットカード、QRコード決済など、決済サービスの種類も豊富です。ポイント制度やクーポンによる割引を有効活用すれば、支出を減らし貯蓄に回せるお金を増やせます。利用明細も残るので、支出管理の効率がアップするというメリットもあるのです。
なお、池田泉州銀行には、現金が手元になくても現金感覚で利用できるデビットカードや、PiTaPa・キャッシュカード・クレジットカードが一体化したカードなど、目的に合わせて便利に使えるカードラインナップがあります。上手に活用しましょう。
収入を増やす
貯蓄を増やすには、収入と支出の差額を大きくすることが基本です。支出の見直しを一通り終えたら、収入を増やす方法を検討しましょう。
4. 年収アップにつながる活動
仕事に関連する資格を取得する、より自分を高く評価してくれる企業に転職するなど、年収アップを目指す道を探してみましょう。
中には、異業種からの転職者を積極的に受け入れる会社もあります。現在の仕事と直結していない資格やキャリアでも、まずは情報をリサーチするとよいでしょう。納得がいく職場を選べば、年収アップのチャンスがより広がります。
5. 副業
近年、従業員の副業を認める企業が増えています。勤務先の規定を確認し、可能であれば無理のない範囲でチャレンジしてみましょう。収入が増えるだけでなく、将来のキャリアに役立つ経験・スキルを積める絶好の機会ともいえます。
なお、副業収入を受け取る銀行口座を、普段の引き落とし口座と別にしておくのも有効です。貯蓄用の口座で受け取れば、うっかり使ってしまうことを防げます。
6. 投資による収益
仕事での収入アップを目指すのはハードルが高い、副業ができない会社に勤めている、という人でも取り組める方法があります。それは資産運用です。少額から投資ができる金融商品もあります。投資経験や許容できる値動きの範囲などに応じた投資商品を選び、中長期にわたり継続することでお金を貯められます。
万が一のとき、すぐに使える余裕資金を現金・預貯金で持っておくことが基本です。そのうえでより効率よく増やせる投資商品を活用すれば、貯蓄のスピードを加速できます。
(4)20代・30代におすすめの貯蓄方法
積立預金や外貨預金、勤務先の財形貯蓄や確定拠出年金など、お金を貯める方法は数多くあります。その中でも効率よく貯蓄体質を目指せる、3つの金融商品を紹介します。
投資信託
お金を貯めるには、運用利回りを高める方法を選ぶ必要があります。投資信託は、国内外の多彩な分野に少額から投資ができる金融商品です。預貯金と比べて高い利回りが期待でき、貯蓄スピードも加速します。
市場の動向に応じて価格が上下するため、場合によっては投資元本を下回ることがあります。投資先やタイミングを分散すれば、価格変動リスクを抑えることが可能です。
つみたてNISA
投資信託をよりお得に運用できる制度の一つに、つみたてNISA(ニーサ)があります。NISAとは、少額非課税投資制度の略称です。株式や投資信託での資産運用について、一定額分の税金を非課税とする国の制度を指します。
つみたてNISAは投資信託の積み立てについて、1年あたり40万円分・運用期間20年分の運用益が非課税です。少額から積み立てが可能で、毎月コツコツお金を貯められるメリットがあります。一度にまとめて購入するよりも価格変動リスクを抑えられるため、投資初心者にもおすすめです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金の略称です。毎月5,000円の掛金から積み立てられ、定期預金や投資信託、保険商品で運用します。掛金については全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。また、利息や値上がり益など、運用により得られた利益も非課税です。税制優遇のメリットを受けられます。
積み立てたお金は原則、60歳以降に引き出し可能です。また、加入者の属性に応じて拠出金額の上限などが定められています。iDeCoは「老後資金の準備を目的として積み立てるもの」と覚えておきましょう。
(5)まとめ
お金を貯める基本は、収入を増やして支出を減らすことです。ただ実際のところ、「次の一手」に悩んでいる人もいるかもしれません。金融商品を活用した収入アップは、その中でも比較的目指しやすい方法といえます。上手に活用して、貯蓄が得意な家計を目指しましょう。
著者:もろふし ゆうこ
FP技能士2級、証券外務員会員一種
大手証券会社、銀行の個人営業職を経験した後、26歳で独立系ファイナンシャルプランナーとして独立。個人を対象に相談業務やセミナー・講演会の講師業、各種メディアへ出演し情報提供を行う。現在はFPの知識を活かした執筆活動を中心に活動している。
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